歴史のあるニューワールド産地である南アフリカ。
数多くいる優れた生産者の中からボーランド・セラーを紹介します。
■アパルトヘイト

南アフリカに初めてワインが誕生したのは、
約340年前の1659年に黒人諸民族が暮らしていた
アフリカ大陸南部のケープ地方にオランダ人が
ブドウの苗木を植えたことから始まります。
他の新興産地と比べても歴史が古いのに、
国際市場で出遅れているのには
アパルトヘイトが関係しています。
1991年以前に南アフリカワインは、典型的なアパルトヘイト商品として、
欧米各国や日本などでは敬遠されていました。
世界の舞台に登場していないため、
当然のように品質は低下しています。
多くの生産者は、ブレンド用の安ワインを造る事となります。
南アフリカワインとは、ヨーロッパからの技術とケープ地方のテロワール、
アパルトヘイトによる低賃金労働によって生み出されたワインです。
1991年、春、黒人であるネルソン・マンデラ氏が大統領に就任した事により、
アパルトヘイトは全廃します。
さらに、1918年に設立したKWV(南アフリカワイン醸造者共同組合)
が民営化することで、それまでは、醸造から販売まで
全てを取り仕切る権力が無くなり、それまでは影に隠れていた
熱意ある生産者達によって南アフリカワインは、飛躍的に向上し始めます。
■コンテスト荒らし
ボーランド・セラーは、
300年という古い歴史を持つ南アフリカ屈指の造り手です。
近年、醸造技術が目覚しく進化をとげ、
ここ最近6年間で、43個のトロフィー、15個のダブル金賞、
94個の金賞など、銀、銅を入れると数えきれないほどの受賞経験をしています。
その中でも、2001年にチーフセラーマスターである
アルトゥス・ルルー氏が、ワイン醸造家の最高峰である
インターナショナルワイン&スピリッツコンペディションの
ワインメーカー・オブ・ザ・イヤーを獲得。
98年シラーズ、99年カベルネが、
それぞれワールド・ベスト・シラーズとカベルネも獲得。
それにピノ・タージュでの銀、銅メダルによって、
この大会のベスト・サウスアフリカ・プロデューサーに選ばれ、
名実共に南アフリカワインの中心となります。
■ボーランド・セラーのワイン造り
酸化防止剤の使用は極めて少なく、
害虫駆除に到っても防虫剤ではなく、
アヒルやホロホロ鳥を放し飼いにし駆除します。
除草剤は使用せず、麦を植えることで雑草を生やさないようにします。
こういった有機農法は、南アフリカでは一般的に行われており、
さらに数多くのブドウ栽培家と提携することで、
最上の土壌から収穫された最高品質のブドウを使用する事ができます。
野生酵母の使用により、自然な風味を変えずに個性を表現します。
手を加えるのではなく南アフリカの基本的なキャラクターを
生かすことに重点をおき造られたワイン達は、
ボルドーらしさとニューワールドっぽさを兼ね備えた味わいです。
南アフリカ独特のミントの風味を持ち、

抜栓後1〜2時間で味わいが開いてくるほどの濃厚さと
シルクのようななめらかなタンニン、口いっぱいに広がる
果実味が特長的なワインです。
これからさらに南アフリカワインの進化が楽しみになってきます。