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何年厨房に立つ立場にいても、客としての視線を忘れないこと。
料理を作っている自分たちが、毎日食べたいと思うようなものを作ること。
「お店のこだわりは何ですか?」という質問にこう答えてくれた“ganba亭”のシェフの國領さん。
それは一見当たり前のようでいて、とてもむずしいことではないでしょうか。

「ganba亭」はシェフの個性が光るオリジナルなイタリア料理を楽しめる素敵なレストラン。
明るいガラス張りのエントランスをくぐると、目の前に大きな生ハムが熟成中です。
「ganba亭」では、生ハム、パンチェッタなどを白糠産のホエー豚で特別に自家製で作っているのです。
「パルマの生ハム」と「パルミジャーノレッジアーノチーズ」はどちらもイタリアのパルマ地方を代表する食材。
先ほどのホエー豚はチーズをしぼった後にできる乳酸菌たっぷりのホエーを餌として育った、臭みの無い甘い脂身が特徴です。実はパルマの生ハムもパルミジャーノチーズをつくる時のホエーで育った豚らしいのです。しかも「ganba亭」の生ハムは熟成期間もたっぷり2年をかけてパルマとほぼ同じ作り方。
北海道で作られた‘極めてパルマに近い生ハム’美味しいに決まっているわけです。
そのほかにも、食材へのこだわりはまだまだ。
白糠町のミルクのたっぷりのモッツァレラチーズ、同じく白糠の広々とした牧場で育った羊、仁木産の甘くて肉質のしっかりとしたフルーツトマト、コクがあり生臭みのない千歳の自然卵など、選りすぐりの素晴らしい食材のオンパレード。

サービス
さらに、こちらでは細やかなサービスにも定評があります。
例えば、ワインをボトルでオーダーし飲み残してしまったとき可愛らしい専用のペーパーバックに入れて持たせてくれたり、すべてのコースを1人前からオーダーできること。
互いにちがうコースをセレクトして料理を分けあったり、パスタを20種類から自由に選べたりとお客のニーズを意識した設定。
こういった細やかな気配りは、作る側から味わう側へと視線をシフトできて初めて気が付くことなので、國領さんは根っから人をもてなすことが好な方なんだなぁと感じました。

食事の締めくくりに黒板にズラッとならんだ自家製のソルベの数々。マスカルポーネ、キャラメル、ココナツ、・・・どれも魅力的だけれど、イタリアのレモンのリキュール『レモンチェッロ』を使ったシャーベットに私の心は釘づけ。「美味しそうですねぇ・・・」とつぶやく私に、
「うちのはアルコールがたっぷりだから車の人はダメダメ。」と、代わりにキャラメルの香ばしいアイスを運んできてくれました。
そんなところまでこのお店らしい気遣いかしらん、と上戸の自分に苦笑しつつ真夏の太陽のような『レモンチェッロ』の爽やかさは次回のお楽しみになりました。
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