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「邪道と言われるような仕事はしたくないが、日本料理の手法で素材に手を加えて色々な美味しさを提供したい。」 そう店主が語る通り『寿し心・咲』の握りは実に繊細で細やかな仕事がなされている。 マグロの赤身は絶妙の加減で醤油着けにされ、 イカは細かく包丁を入れ軽くあぶられる。 ヒラメは、間に肝を挟んで握ったり、 真タチは味噌漬けにしたりという手間のかけようだ。


シンプルに醤油でいただく握りが在る一方で形に囚われない人手間かけた握りがこだわりだ。 その日の客とのやり取りと、素材との語らいの中で、その食材の表情を引き出されていく。

「その方が握っていて楽しいしね。」と店主は笑顔で話す。

食材作りにも、さりげなく手を抜かない。 かんぴょうは歯ごたえがの残るように、自ら煮含める。 シンプルに山葵とともに巻いただけのかんぴょう巻きのファンが多いと言うくらいだから、その美味しさは想像がつく。極め付けは数の子だ。 今時期水揚げされる生のニシンをわざわざその腹をさいて卵を取り出す。そして2日間塩漬けにすると数の子の出来上がりだ。 その歯ごたえは市販のものとは比べ物にならないくらいコリコリと凝縮した歯ごたえとなる。


美しく羽目が外せることには、裏打ちされた素材の良さがある。

氷が敷き詰められたカウンターのケースには、マグロやひらめ、関さば、関アジ、フグなど色とりどりの食材が並ぶ。これらは築地や九州から空輸されたものだ。 また北海道の雲丹、つぶ、ホタテ、ホッキ貝の風格もさることながら、傍らで緑の色彩を添える立派な葉つきの山葵も目に美しい。
シャリにもこだわった。
米はコシヒカリとササニシキのブレンドを何種類も炊き比べ、今の種類と配合に決めた。 寿司飯を炊く水は、ろ過した水に沸騰寸前まで火をいれ、備長炭を沈め一晩仕込んだもの。 繊細な寿司を引き立てる日本酒は、本醸造酒から純米、大吟醸まで充実している。切れがよくサッパリとしたものが中心だ。

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