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色鮮やかな料理は、それだけで食欲をそそる。
旬の食材をたっぷり使った和食の季節料理は本当にキレイ。
見ているだけで幸せな気持ちになってしまう。
お店のメニューは“あって無い様なもの”らしい。
来店されるお客様のほぼ全員が、季節の旬の食材を使った“おまかせ料理”を楽しむ。
常連客が非常に多く、「ここへ来れば美味しい料理を食べさせてくれる」といった感じだ。
接待では教えたくない自分だけの隠れ家。暖かい織田さんの人柄と雰囲気は、
店に入った時に思わず「ただいま。」と言ってしまう様な温もりのある場所だった。
お通しは一口サイズで様々なものを楽しめる様になっていて、
中でもタコの頭の酢漬けは、店主の織田さんが生で仕入れたタコを厨房でサッと茹で上げたものだから、
ぷるんと柔らかい。生と茹での中間、歯ごたえのある柔らかさと言ったらいいだろうか。
このサッと茹でる加減が大事だと織田さんは言う。
茹で過ぎると身が硬くなってしまうので、
わざわざ「生」で仕入れて自分で茹でるのだそう。
砂糖、昆布、薄口醤油などでシンプルに煮たカボチャは、フルーツの柿のように色鮮やかでさっぱりした甘みがある。
こんなに美味しいカボチャを食べたのは初めて。
本日のお刺身は鮪、そい、タコ、つぶ。
旬のモノは新鮮でやっぱり美味しい。刺身は切り方ひとつで味も変わる。シンプルな事こそ難しいとはよく言ったものだ。
焼き物のなめた鰈は肉厚で味がしっかりしているおり、中まで火が通っているのに柔らかく味わい深い。
添えられた金柑の蜜漬けは爽やかな甘さとコロンとした形が可愛い。
今回のお料理の中でいちばん気になっていたのが“めもち”の天ぷら。
見た目もきれいなピンクの衣は“しんびき粉”という米粉のようなものらしい。
それを食紅で霧吹きの様に吹きかけて色付けする。 めもちのモチモチした食感としんびき粉のカリカリした食感、香ばしい匂い。
見て楽しめて、香りが良くて、美味しいなんて最高だと思う。
酢味噌和えは、味噌と砂糖と卵の黄身の中に青梅を入れた手作り。それをウド、アイヌネギ、浜ぼうふうと頂く。
青梅の爽やかな香りと程良い酸味で、すっきりとした味わい。
奥様と2人で20年も続けてきたというこの店。
フリー客は1年に2度程で後は地元や本州からのお客様ばかりだというから凄い。
本当に多くの人に愛されてるお店なんだなぁと感心する。
しかし織田さんとしては、勿論それは幸せな事だけど、若い世代の人達にも”本物の味“を
知ってもらいたいとの事だった。
料理の他、梅酒やワインなども自家製で、味わい深いものをたっぷり堪能できるお店でした。
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