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和創食彩 稲々
>夏男
夏男
2007年7月26日
稲々は夏になるともう一つの顔を見せる。
入り口玄関の横にある約一間程のスーペースを使ってバー営業をはじめる。
ランチタイムはかき氷屋、ミッドナイトはバーと2部構成となっている。
マスターは僕とオーナー、交代でカウンターに立ち、
昼は小学生をからかったり若奥様に色目を使って営業。
夜は人気の少ない南円山で、地域住民を魔の手から守るために深夜まで目を光らせている。
たまに来る酔っ払いと同化してしまい、かえって治安を悪くしているのかもしれない。
近所のおばあちゃん達は温かい目で見守っていてくれる。
一番の目玉はやはりかき氷。
お向かいの小学生がワラワラと寄ってくる。
最近では
「じじい1号とじじい2号」
と呼ばれる程なつかれてきた。
正直むかつくのでシロップの量を減らしてやったり、
お母さんと仲良くなったりして脅威を植えつけてやっているが、
次の日には都合よく忘れている。
かき氷は基本的には1杯150円。
近所のガキ共には仲間を連れてきたら100円でいいよと少量の氷を食べさせ、
味をしめてきた頃にはもうかき氷の虜だ。
もうかき氷をやめられない、更に友達を3人紹介したら1杯サービスと子供たちを手なずけている。
かき氷ドリームは始まったばかりだ。
売り手はかき氷を食べ過ぎない、恐ろしさを良く知っているからだ。
去年いた男はかき氷を食い過ぎ地獄の苦しみを味わっていた。
何事も距離感が大事だということだ。気軽に手を出したがためにそんな事になってしまう。
夜は打って変わって静けさの中でひっそりと商売をしている。
高齢化している南円山の夜は早い。8時には家々の電気は消え人が歩いていない。
さすがにかき氷は出せないので、お酒を販売している。
新規のお客さんはなかなか来ないが、友人たちがつまみをもって遊びに来てくれる。
かわいい女の子が来てくれる日を首を長くしてまっている。
まぁむさくるしい男達が集まっている所に女の子はきてくれないであろう。
最近は円山も治安が悪くなってきている。強盗が2件、引ったくりが1件、殺人事件1件。
交通の取締りは一生懸命だが地域住民の安全はいかがなものかと思うこの頃だ。
この夏バー稲々をやることで地域住民が近くなり、
昔の下町のように互いを守りあえるそんな町に出来たらなと思う。
北海道の夏は短い。
ひと夏の酔いどれバーが終われば冬には雪かきの出稼ぎをしなくてはいけない。
ちなみに去年はお隣の屋根の雪下ろしでイチゴを沢山もらった。
孫のようにかわいがってくれる近所の方々あっての稲々。
若い僕たちが地域の安全を守っていきたいと思う。
【doなび】和創食彩 稲々