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コラムインデックスビストロTamasa>映画・ジャズ・そして…【第3章】
映画・ジャズ・そして…【第3章】
2008年8月20日

第2章からのつづき・・・

ヘビースモーカーの母親の煙草を一本くすね、
吸い方も知らないがとりあえず火をつけ、
いきおいよく吸い込んだ。

出てきた煙はどうしたらいいのか、
とりあえず初心者の私にはきつい煙草だったので、
煙をはくと同時に咳き込んで涙目になり頭がぐるぐる回った。

これもカッコイイ大人になるための試練なのだろう。
とりあえず、もう一度、今度は自分なりに
ポーズを決めて吸ってみる…。

かなり厳しい試練だ。
ただ、一つ言える事は成人式に出席した時よりも、
大人になったことを実感したということだ。

その後、しばらく喫煙生活を続けてみたが、
どうやら私の身体には合わないらしい。

ひどい時には、煙草を吸った後、
嘔吐感に見舞われトイレに駆け込む始末である。

カッコイイ大人になるはずが、
みっともない人になってしまった。

それ以来吸っていない。
今や禁煙ブームである。
いや、ブームを通り超えている。

アメリカからヨーロッパを経て日本に入ってきた煙草。
もともとは神仏に捧げるため、そして病気の治療、
悪霊退散に使われていた煙草もいつしか嗜好品となり、
人の集まる席や祭りなど、大事な場面で吸われてきた。

時代とともに、煙草文化も色あせ、
禁煙ブームから嫌煙ブームが始まり、
喫煙者には悪のレッテルを貼られるご時世となった。

ニューヨークのジャズバーからは煙草が消えた。
映画の世界では、性描写や暴力シーンと同じく、
カッコイイ喫煙シーンには年齢制限を設けようとしている。

喫煙のシーンは、時に人々の感情を物語り、
時に時間の流れや、言葉のない会話を演じる小粋な脇役だと思っていた。
しかし、もう煙草は格好悪いものでなければいけないらしい。


フランスでもいっせいに禁煙活動が始まった。守らなければいろいろな罰則がある。
フランスでは受動喫煙者で年間五千人が死亡するというデータがでている。
また主流煙より副流煙のほうが2〜40倍死亡率が高いという。

喫煙者のマナーが悪くなっているのも事実だ。

前述したとおり、私はレストランで働いている。
食事中、本当に食事と食事の合間ではなく、
食べている最中にも煙草を吸っている若者がいたりすると、
やはり見ていて気持ちのいいものではない。
嫌煙家が隣の席に座っていれば、嫌がって当然だろう。


ただ、禁煙席だけのお店にしてしまえば来客数も半分に減るのは間違いない。
店としては頭の痛い問題なのだ。
しかしながら、これだけ規制されているのに嗜好品の一つというところが、また解せない。


煙草の自販機用のカードができたところで、
コンビニに入れば快く売ってくれる。
コンビニで働いた経験のある方に、
未成年がどうか確認したことがあるか聞いてみたが、
やはりなかなか聞けるものでもないらしい。
一度勇気を出して聞いてみたが、身分証を見せられ嫌な顔をされた、
と笑って答えてくれた。


愛煙家は年間約二兆円強の煙草税を払っている。
煙草の税金が他より高いのは、依存性が高く、
喫煙者は簡単には煙草は止められないと見込んで高い税金を課しているらしい。


禁煙活動が盛んになれば今度は嫌煙家がその税金を負担していくのだろうか。
禁煙すれば、煙草による病気も減り医療費の面で経費も浮くという話しもあるが、
ただでさえ、このストレス社会。
逆に禁煙のストレスで病院に行く人達がふえるのかもしれない。


愛煙家でも嫌煙家でもない中立の私であるが、さあ、この嗜好品の行く末は?


私は久しぶりに煙草を買い、吸えない煙草をふかし、母の眠る仏壇に供えた。


もし煙草を吸う演技をするんなら、本当に煙草を吸うんだ。
吸う振りをしちゃいけない。
ふりをするのではなく、実際にしなければならないんだ。

ジェームス・ディーン
『ジェームス・ディーン ワーズ』より