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『ありがとう』のパワー
2008年9月12日
いつもカウンターで好きな音楽談義をしながら、
ほがらかにスコッチを飲むMさんが先月の末に北海道マラソンに出場した。

この大会はトップアスリートも数多く出場し、
エントリーするにも陸連などの公式記録が必要で、
参加出来るだけでもたいしたものなのだ。

昨年も彼は出場し私も応援に行ったのだが、
怪我を押しての出場がたたり、
最終チェックポイントでタイムオーバー、
ゴールすることは出来なかった。

私は、今年こその気持ちでゴール前200メートル、
銀杏並木の裾で彼の到着を待っていた。


彼の到着を待つ間にも数多くのランナーが私の前を通り過ぎて行く。


ランナーが走る道を挟んでちょうど反対側に
大声で応援するおばさんがいた。

通り過ぎるランナーの誰にでも声をかける。

『がんばって!』
『もう少しだよ!』

私は最初、うるさいおばさんだな、としか思わなかったし、
おばさんのように大きな声で見ず知らずの人を応援することもしなかった、
いや恥ずかしくって出来なかったのかもしれない。

ゴール間近の緑のアーケードを、走るのをやめ、
歩いているおじさんが目に入ってきた。

おばさんも気が付き大きな声でおじさんに声援を送る。

『がんばって!』
『もう少しだよ!』

それでも、おじさんは苦しそうに歩いている。

『ご苦労さま!』
『ありがとう!』

『ありがとう!』の声を聞いたおじさんは、
微かに残った力でおばさんに微笑みながら会釈をし、
そしてまた走り出した。

なぜか目頭が熱くなり、
涙がこぼれないように晴天の青空を眺めてみた。


Mさんが二年越しのゴールに到着したとき、
心の中で『ご苦労さま!』『ありがとう!』と言っていた。


また来年、『ご苦労さま!』『ありがとう!』
を言いに来ようと決めた8月の最終日だった。



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