いつか
2007年5月25日
いつか、いつか、もうすぐ。
悔しくて、悔しくても、どうしようも出来ない事ってあるよね?
他人には言えない屈辱を味わった時、人はどう行動するのだろう。
他人のその辛さを感じた時、私は何をしてあげれるんだろう。
以前、近くのビルでスナックを営んでいたママが、
昔のお客さんとホステスさんと3人でいらっしゃった。
まだ9時前、当店にとっては午前中も彼女は豪く酔っていた。 コニャックベースにマルガリータのオンザロックとすすむにつれ言葉も乱れて行く。
他の御客様に迷惑を掛ける分けではないのだが、心なしか店内に冷たい空気が流れてしまうのは店主としてもいい気分はしないのである。
まだ飲もうとするので、それとなく帰宅を勧めると、プイッと脹れて帰ってしまった、
怒らせてしまったのである。
彼女は昨年、スナックを他人に譲り以前から興味のあったペットショップを
その道のプロ(トリマーを数人抱えるショップを以前から経営している方)と共同出資で
新たに開店させた。
私も遊びに行かせてもらった事があるが、ドッグカフェ、ペットホテルを
併設したそれは素敵なショップだ。
怒らせてしまったのも気にかかり、数日後ショップに電話を入れてみた。
『○○さんはいらっしゃいますか?』 と私。
『店長は先月末で退社いたしました』 とスタッフ。
彼女は辞めていた。ご来店頂いた時は既に辞めた後だったのだ。
何があったんだろう。出資者なのに。
その夜、思い切って携帯に電話を入れてみて、それとなく何かあったのか訊ねてみる。
彼女は多くは語らなかった。
ただ、泣きながら、いつか、いつか・・・・・・
その後の言葉は聞き取れないまま電話を切った。
その後に続く言葉はなんだったのだろう、いつか 見ていろなのか、いつか 新しい夢をなのか、
本当のところは定かではないが悔しい気持ちは伝わってきた。
ひょっとしたら先日は相談しに来たのだろうか?
何も感じてあげられず、酔った彼女をさっさと追い返した自分が腹立たしい。
人それぞれ違った物を背負いながら生きている、そんな中で何かを求めてこのBARにやって来る。
もっと背負っている物を察してあげれなくちゃ、少しでも軽くしてあげなくちゃ。
自分の不甲斐無さを思い知らされた夜、バーテンダーはお客様の御かげで成長出来るんだと
改めて思った。
彼女に新しい夢があるのなら、新しい夢が出来たなら、
悔しい思いをした分だけ叶うと信じたい。
それは「いつか、いつか、、、、、、、、もうすぐ。」