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すすきの場末のバーのマスターの酒場日記
>KISS!
KISS
2006年10月26日
少し前のことになるが、いつも二人でいらっしゃる仲のよいカップルが今日は
雰囲気が違う
。
彼は多少酔っているようだ、それよりも困った顔をしているのが気にかかる。
彼女はと言うと何故かかなりご立腹
である。
オーダーされた軽めのカクテルとブラントン(※1)のソーダ割りをお出しして、速やかに下がる。 二人は同じ会社の同僚で、社内にはお付き合いをオープンにしていないと言う。
問題は先ほど終了した会社の飲み会でのことらしい。
新人の女性に彼がベタベタしたことに彼女はご立腹
なのだ。
やはり目の前での事では気持ちはわかるのだが、私も男の子、 彼の援護をしてやりたいのだがカウンター業とは難しいものだ。
望まれてもいないのに会話にはシャシャリ出るわけにはいかず、 溜まってもいない灰皿を替え彼の健闘を心の中で祈る。
そんな時ふと昔(まだ若いころ)の
ほろ苦い出来事を思い出した
。
そのころお付き合いしていた彼女が、
私の勤めているBAR
に7、8人でやって来た。
お酒もすすみ盛り上がったのだろう、ゲームなのかどうかは分からないがカウンターからふと目をやると、
事もあろうに彼女と彼女の連れの男性がKISSしてる
ではないか。
何故か私は目をそらし、カウンター内の同僚のほうに視線を移した。
同僚も目撃したらしく私より困った顔をしている。
皆さんもご存知だろうがバーテンダーは、彼女であろうと、ご来店頂いたらお客様。
個人的な関係や感情は表に出せないことが多い。(他のお客様の手前もあり)
今思い出しても、あの日のその後の仕事が辛かった事、無理やりの笑顔はどんな感じだったのだろう? 彼女は色々と若かった私に教えてくれた、非が少しでもあればチャンと謝る事、自分を大切にし、 そして思いやりある接客を心がける事、誰に対しても謙虚であること。 そんな人だった。
彼女と家庭を持つことも真剣に考え始めていた時だったから余計に堪えたように思われる。
つらいKISSを思い出すより、楽しいKISSを想像したいな。
彼らが、にこやかにKiss Of Fire(※2)を飲んでいる姿を想像してみた。
イ〜ネッ!!
私の妄想が終わる頃、いつものように二人は仲良く帰って行った。
なんとか治まったのだろう。
BGMにはYou Give Me Something(※3)がかかっている。
この曲のサブタイトルは
「君に逢えてよかった・・・」
どうか素敵な夜を。。。
すすきのにあるバー
The official James Morrison website
宝酒造株式会社 - Blanton's homepage
※1 ブラントン
ケンタッキー産バーボンウィスキー。
8種類の形が異なるサラブレットと騎手の冠が目を引き付ける。
幾年もの長きにわたって貯蔵した原酒を、ひと樽ずつテイスティングし、
最高の熟成を得たものだけが選ばれる「ブラントン」。
これまでのパーボンにはない芳醇を極めた逸品。
※2 Kiss Of Fire
石岡賢司氏作1953年第5回オール ジャパンドリンクスコンクール優勝作品。
ウォッカ、スロージン、ドライベルモット、レモンジュース。
砂糖でスノースタイルしたグラスに注ぐ。
※3 You Give Me Something
若干21歳の英国シンガー、ジェイムス・モリソンのファーストアルバムに掲載。
いつもはソウルを聞くことが多い私ですが、久々に気に入ったUK物。
ハスキーな声が若き日のロッド スチュアートに重なる。